江國香織さん。モスクワで会えるなんて思いませんでした

みなさま、ずどらーすとびーちぇ!
本日もご訪問いただきましてありがとうございます。

 

大変です。げんだちょふのロシア通信始まって以来の大イベントが発生しました。モスクワで作家の江國香織さんにお会いすることができました。

モスクワ国際交流基金さん主催で、江國香織さんをモスクワにお招きしてお話を聞くというイベントが行われたのです。場所はモスクワの外国文献図書館。

げんだちょふは昔から江國香織さんのファンです。どれくらいのファンかを端的に表現しますと、人生の目標の中の1つを「江國香織さんに会う」とするぐらいファンです。

まさか、偶然少しの期間だけ住むことになったロシアで、人生の夢を叶えるチャンスに恵まれるとは。人生って何がどう転ぶかわからないですね。

そもそもこのイベントの存在も、たまたま、わたしがブログで江國さんの本について書いた記事を読んでくださった主人の同僚の方が「確か奥さま江國さんのファンなんですよね?」と主人経由で教えてくれたのです。

もしもわたしがその記事を書いてなかったら、そして主人の同僚の方が言ってくれなかったらこの千載一遇のチャンスを逃していたかもしれません。

 

直で感じる江國さんの気配

この写真の奥の方のスペースに江國さんやファンたちが集まりました。

図書館の片隅に椅子を並べただけの小さなスペースに(数えたら25脚でした)集まった江國さんのファンたち。この小さなイベントにロシア人はあまり来ないのではと予想していたのですが、江國さんの作品はいくつかロシア語にも翻訳されているらしく(「神様のボート」、「きらきらひかる」など)7割以上がロシア人のようでした。そして、比較的若い人が多いように見受けられました。

30人足らずのこじんまりした本が好きな人々の集まり。その前には江國さんご本人と、江國さんと長らくの間お仕事をされているという編集者の方、そして通訳の方の3人がマイクを持って座っていました。

このイベントは約1時間。最初に編集者の方が江國さんにインタビューするという形でお話を聞いた後に、参加者からの質問の時間をとる、という流れで行われました。私にとっては最初から最後までどれもが貴重なお話だったのですが、一番響いたお話は「気配を翻訳する」というものです。

 

気配を翻訳するとは

江國さん自身の作品は何冊も外国語に翻訳されていますが、江國さん自身も翻訳者として、英語の作品を日本語に翻訳することがあります。翻訳する時に気をつけていることはありますか?という質問に対して江國さんは「その物語のもつ気配も翻訳する」と答えました。

わたしは江國さんの作品の気配が好きです。わたしの中ではずっと「雰囲気」と言っていました。江國さんの本がまとっている雰囲気はそれぞれの物語や場面によって柔らかくもあるしとっても攻撃的でもあるしさらりとしているときもあればしっとりとしているときもあります。でも全体を通してほんのり温かい感じがします。

こんな雰囲気を創り出せる江國さんはどんな人なんだろう。きっとこの物語のように温かくて繊細な雰囲気をまとった人に違いない。

このイベントで直にお会いして、実際に江國さんの髪や肌を見て、声を聞いて、仕草や話し方も含めて、わたしが思っていたことは間違ってなかったと確認しました。

 

 

言葉を大事にするということ

ここ1年程ではありますが、わたしはかなり頻繁にブログを書いて自分の見たものや体験したこと、そこから考えたことをこのブログを読んでくれている人たちに伝えています。

わたしが何かを言葉にするということはわたしの言葉というフィルターを通して何かを伝えるということです。この言葉の選び方ひとつで読み手への伝わり方は変化します。

できるだけ更新して、できるだけ沢山の人に読んでもらいたい。その思いで、最近は特にただ「情報を並べること」に必死になっていたように思います。でも言葉1つ1つにこだわって、時間をかけて、このブログが「わたしそのもの」の気配を感じられるようなものになればそれはとても素敵なことだなあ。そう思いました。

 

大好きなきらきらひかるの文庫本にサインしてもらいました。

 

では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました!

だすびだーにゃ!

江國香織さん。モスクワで会えるなんて思いませんでした” に対して2件のコメントがあります。

  1. vika43 より:

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    げんだちょふさんが好きな江國香織さんに合えるようになって素敵ですよ!
    ロシアに珍しく日本から誰か有名な方が来てくれて、いつも大喜びです。
    実はロシアにはあまり江國香織さんのこと、そして作品のことが知りませんから、あの図書館に集まった皆がファンじゃなくて、日本文化に興味が持っている人でしょう。私も、ネットであのイベントについて読む前にк своему стыду江國さんのことを聞いたことがなかったのです。でも気になったので「きらきらひかる」をイベントの前に読みました。今もゆっくり「神様のボート」を呼んでいます。
    ロシアのサイトで「神様のボート」について少しレビューを読みましたが、誰もがそのような恋愛を信じないみたいです^^”主人子が幻のようなアイを捕まえてみたり、自分と娘を連れたりすることは、ロシア人にとってバカなことみたいですね。もしかしてその理由で江國香織の作品はあまり人気がないかな・・・
    私はあのイベントがすごく好きでしたよ^^江國さんが綺麗で、声も意外に優しいです。
    でもイベントでは江國さんの本を日本語でが買えると期待しましたが・・・変えなくて何とか、残念です。今ロシア語で読んでいるけど、日本語でも読んでみたいです。それでもっと雰囲気が感じられると思います。
    いつか日本に行ったら、そこで買えるでしょう(笑)江國さんの本は電子書籍として記録されていないのならば。

  2. gendachev より:

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    >vika43さん
    コメントありがとうございます!
    >あの図書館に集まった皆がファンじゃなくて、日本文化に興味が持っている人でしょう。
    なるほど!そうですよね。日本に興味のあるロシア人があんなにたくさん集まってくれたとは、なんだか嬉しいです^^
    >江國さんが綺麗で、声も意外に優しいです。
    私も、江國さんの声が優しくて素敵だな、と思いました!
    >今ロシア語で読んでいるけど、日本語でも読んでみたいです。
    私が持っている本をお貸ししたいぐらいです!

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