【読書感想文】花田菜々子 出会い系サイトで70人と実際にあってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

最初からそこを目指していたわけではないけど

ある時に行き詰まりを感じて

何か変えなきゃと思って一歩踏み出してみたら

なんとなく流れで好きと思える場所にたどり着いた

そんな経験がある人は多いのでしょうか。あるいは少数派なのでしょうか。

この本は著者の花田菜々子さんがタイトルの通り、出会い系サイトで出会った人に本をすすめまくった1年間のことが書かれたエッセイです。

夫とは離婚寸前で、家出をして宿無し状態。仕事では勤めている会社の方針転換に納得ができずモヤモヤ。なんとかしたいけどどうすればいいか分からない。そんな時に思い出したのは、会社の先輩におすすめの本を紹介した時のこと。あれがやりたい。そう思って出会い系サイトに登録。「あなたにピッタリの本を紹介します」と自己紹介に書き込みます。

最初のうちは「なにこれ?なんだこの人?」みたいなことばかり起こるのですが、それでもほんの紹介を続けていくうちに気の合う人に出会えたり、意外な気づきを得たり、おもしろい方向へ転がっていきます。そして、このタイトルからは想像できませんが、最後には感動が待ち受けています。

等身大の成功体験

テレビに出てくるスポーツ選手や学者さんなどの一流と言われる人たちの話は、「幼い頃からの夢があって、そこに向かってまっすぐひたすらに努力して、夢を叶えました」だったり、「生まれた時からあったこの才能を生かして職業に付きました」たったり、「凡人には真似できない、この人達は特別だからこんな風になれたんだなぁ」と思ってしまうようなサクセスストーリーが多くないですか?

もちろんそういうお話も、見ている人に勇気や感動を与えてくれるものに変わりはないのですが、どこか遠い存在の物語です。

この本はいわゆる成功体験について書かれている本なんですが、花田さんが行ったのは血の滲むような努力ではありませんし、急に人生が変わるような大事件が起こったわけでもありません。

彼女は人に本を紹介してみたいと思った。その場として出会い系サイトを選んだ。出会い系サイトに登録するというのはある意味大きな一歩かも知れませんが、誰にでも(未成年はだめですよ!)今すぐやろうと思えばできてしまうものです。

でも、それがすごく大事なんではないでしょうか。すごく遠くの目標を狙うんじゃなくて、今できることをちょっとの勇気でやってみる。

この本は読者に「こんな風にした方がいいよ」と変化を積極的に勧めるのではなく、「わたしはこんなことしてみました」と、面白い体験をシェアしてくれるものです。今何かで悩んでいる人が気負わず読めて少し勇気づけられる、そんな本だと思います。ポジティブすぎる啓発本は読んでいて辛い、でも何かヒントがほしい。そんな風に思っている人におすすめです。

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こちらも波乗り系女子とげんだちょふが勝手に分類する本。