【絵日記】ロシアの夏 もものはなし
みなさま、ずどらーすとびーちぇ!本日もご訪問いただきましてありがとうございます。
スーパーの生鮮食品売り場は季節の移り変わりを感じる場所の一つ。わたしが頻繁に行くスーパーマーケットは、「交差点」という名の緑色のスーパーで、その入り口を通ってすぐのスペースが野菜・果物コーナーになっています。
夏になるとこの果物コーナーがにぎわい始め、主婦の単調な生活にちょっとしたワクワクをもたらしてくれます。春にぼちぼちベリー系(いちご・ブルーベリーなど)が来たなと思ったら、ももが出てきて、その後にすいかとメロンが現れる。やはり季節のものはとてもおいしいし、テンションがあがります。
すももも ももも もものうち
夏の果物の中でも、その種類の豊富さに驚かされているのがももです。日本のももよりはかなり小ぶりな、オレンジやら、濃いむらさきやら、いろんな色の、ももが並んでいます。
「それって桃じゃなくて、アプリコットとかプルーンとか、別の果物なんじゃないの?」と思ったみなさん、はい、きっとそうです。値札を見ると、確かにそれぞれ違う名前がついているんですが、わたしには見分けがつかない、というか、覚えられていません。
最近のAKB48のメンバーの顔がみんな同じに見える程度に、見分けがつきません。小学生の時に流行ったモーニング娘。の顔はハッキリと識別できたはずなので、「年をとればとるほど、人間は新しいものに出会っても自分の知っている枠組みの中で処理しようとする」ということで自分の中で納得しています。
ということでそれらの「正式にはももじゃないかもしれないけど、げんだちょふにとってはももである」果物がたくさんスーパーに並んでいます。
その中でも気に入っているのが「平たいもも」です。見た目でいうと、ちょうど手のひらにおさまるぐらいの、球体のボールから空気が抜けたような、奇妙な形をしています。色は濃いめのピンク。
奇妙な見た目に反し、食べてみると味はわたしの知っている日本のももに近く、甘くておいしいのです。さまざまなフルーツの中でも、この「平たい桃」がスーパーに並んでいるのを見ると、心の中でちょっと小躍りするぐらいです。
げんだちょふ的、果物の評価軸
げんだちょふの頭の中には、好きな果物の順位表があります。脳のどこぞにある果物評価学会にて日々会員が綿密な調査検討を重ねています。
ももは「味部門」で堂々の第1位です。
「味部門」があるからには、当然他の部門が存在します。まず「値段部門」。これは旬の時期にどれくらい手に入れやすいかという指標です。日本で住んでいた時の最寄りのスーパーでは、2個で498円とかだったなど、庶民的なりんごと比べて頻繁に購入するには高級に感じるお値段設定でした。
もう1つ、ももが絶対に上位に入賞できない部門が「手軽さ部門」。これは、「果物を手にしてから口に入れるまで、どれだけ簡単か」ということです。手軽さ部門の上位を独占するのは、バナナやみかん。手で皮をむけばすぐ食べられるというのは、人間にとって好都合でしかありません。これに続くのは、いちごやぶどうなどの、水で洗えばすぐ食べられるものです。
これらに比べると、包丁を出す→皮をむく→切るというステップが必要なももは、少々食べるまでが煩わしいのです。この文章を冷静に見て、自分でも「それくらい頑張れよ」と思いますが、便利な生活になれている現代人、面倒なものは面倒なのです。
この「味」「値段」「手軽さ」の総合評価でげんだちょふは果物を日々順位づけています。ももが「味」でどれだけ勝っていても、「値段」「手軽さ」で上位に君臨するりんごやみかんも、「味」でさほど劣るわけではないので、ももが総合優勝を果たすことはなかったのです。
ロシアのももの手軽さ
しかし、ロシアのもも。彼ら、皮をむかなくても食べられるのです。この事実を知った時、果物評価学会に激震が走りました。
確かに、表面にうっすら生えているうぶ毛が最初は気になりました。このザラザラしたものを食べてもよいのか。表面にうぶ毛が生えている食べ物はキウイと桃以外に思い浮かびません。しかし勇気を出して一口食べてみれば、意外と何でもない。洗ってそのままがぶっと食べられる。こうなると「手軽さ」部門で洗えば食べられるいちごやぶどうと並び、順位が大幅アップします。
ということで、日本にいたときより格段にももを消費することになったのです。
目下の果物評価学会の議論するところは、「実は日本のももも、皮のまま食べても良かったのでは・・・?」というものです。この問いは今のところ日本に帰るまでは検証不可能であると、しばらく塩漬けになっています。
では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
だすびだーにゃ!