【絵日記】ロシアの洗礼祭
1月19日にロシア正教の伝統行事 洗礼祭(крещение:クリシェーニエ)を見てきました。
ロシアの洗礼祭を見に行ってみる
ロシア語の先生が「こんな行事があるよ」と教えてくれた洗礼祭。「プーチンさんが寒い中沐浴したよ」と日本語のニュースにもなる有名な行事です。
ヤロスラブリでもいくつかの教会が行っているようで、わたしたちは先生に教わった場所のうち我が家から比較的近いコトロスリ川近へ行くことにしました。
先生にもらった紙だけでは正確な場所は分からなかったのですが、まぁ、行けばわかるでしょということでとりあえず川へ向かいます。
雪が積もった中、川沿いを歩いていると予想していた通り何やら人影が見えてきました。
上半身裸の人がいるので、絶対これにちがいありません。ちなみにこの写真、地面に雪が積もったのではなく、凍ったコトロスリ川の上にさらに雪が積もった状態です。どうやら凍った川に穴を掘ってそこで沐浴している様子。
さらに彼らに近づこうと歩みを進めると、川に降りる手前にテントが設営されていました。男女別になっており、ここで参加者のみなさんは水着(男性の場合は下着の場合も)に着替えるようです。
沐浴ができるスペースはそのテントから土手を降りたところにありました。すぐそばにも簡易更衣室があり、ちょこちょこっと体を拭いたりすることができます。
沐浴する人の表情がいい
この凍った川でみなさん粛々と順番に沐浴します。見てるだけで寒くなってしまうのですが、これは神聖な儀式。本当に水は冷たく、寒いはずなのにみなさん「わー!」とか「ぎゃー!」とか、そんなことは言いません。静かに淡々と、ひとりずつ水に浸かっては出ていきます。
頭のてっぺんまで浸かるのがお作法なようで、階段を降りて腰のあたりまで入ったところでみなさん「すうっ」と息を吸い、次の瞬間「しゅん」っと頭まですっぽり水の中へ消えていくのでした。
この「すうっ」の瞬間のみなさんの顔、わたしには「(何かに対し)覚悟を決めた人間の顔」に見えました。
ここでふと心配になってくるのが「寒い中そんなことして命の危険はないのか?」というところですが、沐浴スペースのすぐ近くには3人のレスキュー要員、ちょっと離れて駐車可能なスペースには救急車も待機しており、その辺りの対策は万全なようです。
がんばった男の子
わたしたちが見に行ったのは昼過ぎで、1時間も滞在しなかった(寒くてできなかった)のですが、その間、人が絶えることはありませんでした。参加者の多くは成人男性で、女性は10人に1人か2人ぐらい。また、子供は1人だけ見かけました。上のマンガの子です。
小学校低学年ぐらいの子だったのですが、「いやだ!いやだよーーーー!」と、お母さんにしがみついてかなり泣いていました。そりゃそうです。わたしだってこんな寒い中水の中に入るのはゴメンです。
しかしお母さんは次の瞬間、泣き叫ぶ彼を「ドボン!」と水の中へ。一瞬のできごとでした。(さすがに頭まででは浸からず、お腹のあたりまで。)びっくりするのと同時に「ああいう手があるんだな」と感心したのでした。
お母さんはその後彼を抱きかかえ、「よしよし、えらかったね〜」という感じで去っていきました。がんばったね・・・!
では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
だすびだーにゃ!