大人になりきれてない大人へ【読書感想文】若林正恭 ナナメの夕暮れ

若者は社会のゲストで、おっさんはホストだ。

若林正恭(2018年)『ナナメの夕暮れ』文藝春秋(101ページ)

海外にやってきてから、付き合う人の数は少なくなったけど、幅が圧倒的に広がりました。とくに、年齢の幅が。たまに遊びに行く日本語教室のロシア人の子たちは10代〜20代。ボランティアグループの人たちは30代〜40代。夫の会社関係の人は50代の人も。私にロシア語を教えてくれている先生は60代。

どの人たちと会っていても楽しいのですが、圧倒的に、年上の人と付き合っている時の方がラクに感じていました。「若い人のノリにはついていけないわ」「わたしは年上の人との方が気が合うのかなぁ」などとのんきに考えていたのですが、上に引用した若林さんの言葉で、「いや、違うんじゃないか・・・?」と思い始めました。

もしかして「わたしをゲストとして迎えてくれる人=気が合う人」と思っていただけなのでは?

年上の方たちはわたしより世間を知っているし経験値もあるから、わたしが何も考えなくても、パパパっと、上手にものごとを進めてくれます。上手くもてなして、こっちを楽しい気持ちにさせてくれているのです。

そうか、わたしはそれに甘えていただけだったのか。

ならばこれからはわたしがホストになって、周りの人たちに接して行く方がいいのではないか。それが大人になるということなのか。

自分から連絡するのが怖い(返信こなかったら悲しいから)

若い人はこんな風に言ってもかわいいけど、大人はそんなこと言ってられないのです。それまでの経験で、若い人よりはいろいろ考えられるはず。それに、「そんなに他人は自分のこと気にしてない」とか、「やってみたらなんてことはない」っていうのが分かっているはず。

「ナナメの夕暮れ」には、若林さん自身が世の中を「ナナメ」に見ていた時代から、毎日をそれなりに楽しく生きられる大人になるまでが書かれています。世界一周して自分を見つけたとかそんな大げさな話じゃない、自分探しの話です。

関連記事

本を読んだらアウトプットがオススメです。あなたもオンライン読書会でアウトプットしてみませんか?海外住まい(プレ、帰国後OK)女性向けオンライン読書会、参加者募集しています。

芸人さんのエッセイ。阿佐ヶ谷姉妹さんのエッセイは読むとほっこりしました。コタツに入っている感じ。もちろんコタツの上にはみかん。