【読書感想文】ヤマダマコト 金色天化 【読みだしたら止まらない】
こんにちは。定期的に推理小説が読みたくなる人、げんだちょふです。
最近、その「推理小説読みたい症候群」の発作が発生しました。「なんでもいいから読みたいんや!」と言いながら、アマゾンのPrimeReading(アマゾンプライム会員であれば無料で読める)を漁って見つけたのがこの本でした。
ファンタジーだけど信じちゃう
舞台は新潟。天化師(てんげし)という、仕事を代々生業にしている家族(姉2人と弟の3人姉弟)を中心に話が展開します。天化師とは特殊な力を持つ化粧を施す仕事。天化師の化粧には、化粧をしている本人や見た人の気持ちに作用するという、魔法のような力があります。
新潟市内で「なぜか自殺者が急増する」という事件が発生し、天化師の姉弟が警察と共にその謎に挑むというお話。
このストーリーの中では、天化師という職業が昔から存在しており、新潟では知ってる人は知ってるという設定です。読んでいる間ずっと、げんだちょふは「そういう職業があるのね〜」と天化師の存在を完全に信じ切っていました。
本を読み終わり、「はぁ〜面白かった〜、他の人の感想も読んでみよう〜」とkindleのレビューを読み始めたところで、「え?天化師は架空の設定なの・・・?」と気づかされました。そして高評価ながらも「中学生には面白いと思う」というレビューもけっこう多く、本気で楽しみながら夢中になって読んだアラサーのげんだちょふは大変ショックを受けたのでした。
いやいや、面白かったですよ、げんだちょふは。確かに細かいところで「え?」というところはあるし、「大人でこれを信じる方がおかしい」という人もいるかもしれませんが、読者を引き込んで一気読みさせる熱量がありました。
セルフパブリッシングというもの
著者であるヤマダマコトさんはKDPという方法でこの本を出しているんだそう。KDPとは簡単に言うと、出版社の力を借りずに自分でKindle上で本を出版できちゃうということらしいです。これまでげんだちょふはKDPというものを知りませんでした。
自分で出せちゃうということは、(ある程度ルールはあるんだろうとは思うのですが)出版社の出すものと比べて中身のクオリティが気になるところ。ですが、この「金色天化」は本当におもしろかったです。
これが無料で読めちゃうなんて、アマゾンプライム入ってて良かった。
表紙もステキなデザインで、kindleだけで紙の本がないのが「もったいないなぁ」と思ってしまいます。橘冥紗さんという方が描いたそうです。
いろんな世界で、売り手と買い手が直接つながるような仕組みが生まれていますね。これまでだと製造(本だと、書いて、校正して、デザインして、印刷して)+小売(本屋さんに並べる)までたくさんの人が関わって、やっと買い手に届いてたけど、作り手が製造+小売まで自分でやってしまえる。
本の世界だけじゃなくて、アクセサリーだとminne、なんでもござれのメルカリなんかの仲介業者も何年も前からあるし、もはや仲介専門の仕組みも使わず、twitterやinstagramで売り手と買い手が直接メッセージをやりとりして交渉というパターンもあります。
セルフパブリッシングの世界も、これからどんどん成長して洗練されていくんだろうなぁ。期待。
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新潟が舞台ということで、よく仙台を舞台にしている伊坂幸太郎さんを思い出しました。
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