北大路公子のエッセイ本
北大路公子さんのエッセイが好きです。好きすぎるので今まで読んだ本を紹介したいと思います。カッコ内は初版出版年です。わたしの一番のオススメは「流されるにもホドがある」です。
Contents
枕もとに靴 ああ無常の泥酔日記(2005年)
北大路さんが「エンピツ」というインターネット上の日記公開サイト(今で言うブログでしょうか)に書いていた文章を書籍化したもの。30代の頃の北大路さん。彼氏の名が出てきたりしていて、最近の作品と比べると若さを感じます。
生きていてもいいかしら日記(2008年)
回転寿司屋で知らないおじいさんにお説教をされるという、わたしからすると「そんなことある?」なエピソード「じいさんの説教」や、北大路さんの座右の銘について語られている「好奇心は身を滅ぼす」など、グッとくる作品が複数収録されています。読んでいると「(この人と比べると)わたしはまだ大丈夫」と思え、生きる希望が生まれます。
苦手図鑑(2013年)
最初に読んだ北大路さんの本。理由はkindle unlimitedで無料だったから。これを読んだ後に次から次へと北大路さんの本に手を出してしまいました。
流されるにもホドがある(2017年)
「北大路さんの本でどれがオススメ?」と聞かれれば「流されるにもホドがある」と答えます。これに収録されている「走れハロウィン」が秀逸すぎるからです。タイトルから「走れメロス」と関連していると想像がつくかと思いますが、そのとおりです。ハロウィンが日本で浸透していく様を、太宰治っぽく書いています。北大路さんの有り余る文章力を、思う存分に無駄づかいした傑作です。
すべて忘れて生きていく(2018年)
3分の1は日常、3分の1は相撲、3分の1はお酒の話で構成されています。相撲を全く見ないわたしは、相撲の部分は理解できませんでした。(相撲雑誌に掲載されていたエッセイだそうです。そりゃ、ついていけないわ。)
ロスネコ日記(2020年)
北大路さんが淡々と植物を育てるだけの話です。植物を育てる理由は、かわいがっていた猫が死んでしまったために生まれた心の穴、通称猫穴を埋めるため。猫の話ばかりをする北大路さんを不憫に思った知人の方が見かねて提案したのです。植物を育てるだけの日記がなぜこんなに笑えるのか、北大路さんの「日常おもしろ脳内変換技術」に拍手です。
ロスねこ日記は、世界ウーマンさんにブックレビューを寄稿しました。併せてご確認ください。