ボリショイ劇場でバレエ鑑賞。感動、そして反省。
人生で初めて、バレエを見ました。それもあのボリショイ劇場です。演目は定番中の定番、くるみ割り人形でした。数ヶ月前に購入し、大事に保管していたチケットを携えて行ってまいりました。今までに行ったクラシックのコンサートとはまた趣が違ってとっても楽しめました。今日はそのレポートを書きたいと思います。
これがロシアセンス!豪華絢爛なボリショイ劇場
昨日書きましたアフタヌーンティーの後、徒歩でボリショイ劇場に向かいました。
ちょうどクリスマスシーズンなので装飾が施されており、とっても華やかな雰囲気のボリショイ劇場。嫌でも高まる期待。早速劇場内へ足を運びます。
コートをクロークに預けて座席入り口(今回は1階席)に行くとまだドアは閉まっており、スタッフのおばちゃんに「15分後に開く」と言われたのでしばらくホール内を探検したりトイレを済ませたりして時間をつぶしました。(不思議なことにスタッフはみんなおばちゃんでした。常におばちゃんを採用しているのか昔採用したお姉さんがやがておばちゃんになったのか、謎。でもロシアはおばちゃんの労働力の使い方が上手だと思います。)
そして15分後、さっきのおばちゃんのところへ戻りホールの中へ入れてもらいます。
そして一歩入ってびっくり。どこもかしこもまばゆいばかりの金色の装飾。
過去げんだちょふが訪れどのホールよりも豪華でした。こ、、、これがロシアの本気。
一通り写真を撮りまくった後、旦那さんが「2階席(バルコニー)の方がキレイな写真が撮れそうだから行きたい」とおっしゃったので、本番が始まる前に行ってみました。しかし、バルコニー席の入り口には鍵が掛かっていました。どうやらドアの前にいるおばちゃんにチケットの座席番号を見せて鍵を開けてもらって入るというルールになっているみたいです。なんと言う厳重なルール。こんなルールもこのホールが初めてです。こうしないと勝手に席に座ってしまう人がいるのでしょうか?
ということで諦めて大人しく1階の自分たちの席で待っていました。今思えば「私は旅行者だ。写真だけ撮りたいから中に入れてくれ。」と(ロシア語で)言えば、入れてくれたかもしれないです。
子供も楽しめるくるみ割り人形。子供たちを見ているだけでほっこり。
今回鑑賞したくるみ割り人形は子供向けのおとぎ話。このクリスマス時期のど定番プログラムです。内容をざっくりいうと「主人公の女の子が壊れたくるみ割り人形を助けたら実はそのくるみ割り人形は魔法をかけられた王子様でした。その後2人でおとぎの国に行って楽しいダンスをいっぱい見ました。」という浦島太郎的なお話です。
子供向けということもあって会場内には小学校低学年ぐらいと思われる子供たちがたくさんいました。(体感だと全体の2割ぐらい。クラシックのコンサートという枠で考えると圧倒的に多いです。)特にバレエのチュチュのようなふわっとしたスカートを履いた少女たちが何人もいて、「将来バレリーナになりたいのかなぁ。」と始まる前からかなりほっこりした気持ちになれました。
子供が観劇に行くとなるとどうしても心配になるのが「最後まで静かに見ていられるだろうか?」という点だと思います。がっちりしたクラシックのコンサートで子供が演奏途中で退屈になって「おかあさ〜ん、帰りた〜い」とか言い出しちゃうと周囲の人からヒンシュクを買ってしまうのも事実です。でも今回の演奏会はそもそも子供にとって馴染みやすいプログラムだったこともあってか、そういった子は(私の知る範囲では)いませんでした。途中でトイレかなんかで席を立った子も見かけましたが子供には絶対的に寛容なロシア、特に誰も気にしてない様子でした。
おめかし必須。ロシア人はおしゃれ意識が高いと思う。
大人の女性もとってもオシャレに着飾っていました。これまでウィーン・ドイツのクラシック演奏会に行ってきましたが、定期演奏会だと意外とジーンズにニットなんかのナチュラルな普段着の人も多いんです。それに比べてロシア、クリスマスシーズンの特別な公演だったこともあるかもしれませんが女性はワンピースやドレスで着飾った人が多かったです。そのセンスもカラーが派手だったりセクシーなレースだったり日本で着ていたら「今日は攻めてますね」と突っ込まれそうな出で立ちです。
そして仕上げはロシアといえばの立派な毛皮のコートでした。ヤロスラブリで普段街ゆく人を観察していてもあまり見ないんですが、やっぱりこういう特別な時の一張羅は毛皮なんですね。(このバレエ公演のチケットは高額だったので、来ている人の平均所得が高いからいい服を着ている人が多いという理由もあるかもしれません。)
バレエ。全然知らないなりの感想。
クラシックとしてくるみ割り人形の曲は知っていてもバレエについてはよく知らないげんだちょふ。ロシアに来る前、同じアマオケに所属していた方から「これロシアのバレエの漫画。面白いから読んでみて」とお借りしたのが「アラベスク」と言うソ連時代のレニングラードやモスクワボリショイバレエ団を舞台にした漫画でした。そちらの漫画で「バレエって振り付け師がいるんや〜」「プリマが主役なんや〜」といった、バレエの基礎を学びました。
そんなレベルなので、バレエの見方はよくわからないというのが正直なところでした。ですが、さすが世界のボリショイバレエ、そんなげんだちょふにもボリショイにいる人がとってもすごいんだということは分かりました。最初から最後まで、「えっっ人間ってあんなに高く跳べるんだ」「えっっそんなポーズで止まれるんだ」とビックリにビックリを重ねました。それに何より観ていて美しい。
くるみ割り人形の中で特に私が楽しみにしていたのが後半第2幕にある主人公がおとぎの国で見る踊り子たちのダンスでした。スペインの踊りから始まり、アラビアの踊り、中国の踊り、ロシアの踊り、葦笛の踊りとそれぞれの国のダンス(風のバレエ)が楽しめます。(5曲目だけ国じゃないのが謎。)
そんな第2幕、まず衣装にこだわりを感じて感動しました。スペインは赤、アラビアは青、中国は黄色、ロシアはピンク、葦笛は白とそれぞれのテーマカラーの衣装を着た男女ペアがダンスを披露してくれます。そしてバレエも、どの国もきちんと特色が出ていて感心仕切りでした。特にアラビアの踊りは「ぬめ〜っと動いて静止」を繰り返す振り付けで(言葉で表現できないです。あえていうならヨガっぽい動き。)「あ〜そんなイメージある!」と一人心の中で騒いでいました。あと中国の踊りの男性のジャンプが本当に高くて驚きました。人間ってあんなに跳べるんですね・・・
バレエに感動。そして反省。
今までバレエ音楽をオーケストラで演奏したことは何回もありますが、バレエのストーリーをあまり勉強せずに演奏していました。だいたいオケでやる時はCDは聴くけどバレエの映像までは見ないし、ストーリーも概要をwikipediaで確認するぐらいで、その曲がそのストーリーの中のどんなシーンの何を表しているのかまでは「まぁ、いいや」と思って追求せずでした。
で、今回バレエを見て気がつきました。
それってめっちゃ恥ずかしいことじゃないか。。。?
チャイコフスキー先生にこの場で謝ります。今まですみませんでした!これからバレエ音楽をするときはその曲のシーンを理解してから挑みます。
では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
だすびだーにゃ!
他にもチャイコフスキー3大バレエ観ました