マースレニッツァで春をお祝い
冬のかかし
3月最初の週末。最近ハマっているスケートをするために夫と街の中心まで出向いてみたら、何やらにぎわっている場所が。
何をやっているのかと思って近づいてみると・・・
これは・・・マースレニッツァのかかし!
マースレニッツァは春をお祝いするロシアの伝統行事。かかしは冬を意味しており、1週間あるマースレニッツァ期間(今年は3月4日〜10日でした)の最終日にかかしを燃やして冬に「さよなら」するんだそうな。
げんだちょふたちが訪れたヤロスラブリ市庁舎近くのこの広場には、たくさんのかかし(地域の学生などが作ったらしい)が展示されていました。
カラフルで個性的なかかしたち。この日は日差しも明るく、まだまだ寒い時期ですが春を感じさせてくれました。
その中で異彩を放っていたのがこちらのかかし。
劇場のクロークにいる妙齢の女性風のかかしさん。後ろに置いてあるコート掛けも、女性が持っているパンフレットも本物を忠実に再現しています。カラフルなかかしが並ぶ中、モノトーンでシックにまとまっているこちらのかかしさんは他と一線を画す存在感を放っておられました。
春の太陽ブリヌイ
マースレニッツァと言えばかかしの他にブリヌイ。ブリヌイはロシア風パンケーキで、もっちりしたクレープという感じの食べ物。丸くて金色に輝くブリヌイは春を運んでくる太陽の象徴なんだそう。
げんだちょふはブリヌイが大好きです。めっちゃカロリー高いらしいですけど、好きです。
ロシアに来る前に読んだ本のイメージで、ロシア人はマースレニッツァ期間にブリヌイを毎日のように食べるのかと思ってワクワクしながらマースレニッツァを待っていました。
しかし実際にマースレニッツァになってみると、げんだちょふが想像していたほどみなさん食べてませんでした。周りの人に「ブリヌイ食べた?」と聞くと半分ぐらいの人は「食べてない」とのこと。彼らから「絶対ブリヌイ食べなきゃ!」みたいな熱意はそんなに感じません。それでも中には「おばあちゃんが焼いたブリヌイがおいしい」という人もいてなかなかほっこりしました。
マースレニッツァの日にちが毎年違うのはなぜ?
げんだちょふにはブリヌイを作ってくれるおばあちゃんもいないし自分で作る技術もないので近所のカフェに現れた「マースレニッツアメニュー」のブリヌイをいただきました。
ブリヌイをむしゃむしゃしている時、げんだちょふは思い出しました。「マースレニッツァってたしか去年は確か2月の後半ぐらいだったはず。しかし今年は3月上旬。なんでそんなに違うんだろう・・・?」
ちょうどロシア語のレッスンがあったので先生に尋ねてみたら説明してくれたのでメモしておきたいと思います。
以下、先生より
マースレニッツァの日付はキリスト教の復活祭(イースター、ロシア語だとПасха パスハ)の日にちと関係が深い。
ロシアにキリスト教がやってくる前のЯзычество(自然崇拝)の時代は自然の中のいろんなものを神様としていて、その中でも一番のメインの神様が太陽だった。なぜならロシアは冬がとーーーっても長くて、夏は短く、太陽はその貴重な夏を運んでくる存在だったから。それで春に太陽に似た丸いブリヌイでお祝いをしていた。
しかしキリスト教がロシアにやってきてからは復活祭(イースター)がメインの祝日になった。復活祭の前の7週間はその準備期間(Великий пост)とし、お肉や乳製品を控える必要がある。(どのくらい真剣に節制するは人ぞれぞれなんだそう。)
今ではその準備期間に入るさらに前の1週間が、もともとのロシアの伝統であったマースレニッツァとして春を祝う期間になっている。マースレニッツアの最後の日曜日つまり、復活祭期間に入る前の最後の日曜日(Прощеное воскресенье)にはかかしを燃やして、冬にさよならをする。
つまり今のマースレニッツァは、ロシアにもともとあった自然崇拝と後からやってきたキリスト教が融合した形になっている。
つまり今年(2019年)の場合だと
- 3月4日(月)〜3月10日(日)マースレニッツア
- 3月11日(月)〜4月27日(土)復活祭の準備期間(Великий пост)
- 4月28日(日)復活祭
となるんだそうです。
復活祭は「春分の日の後の最初の満月の後の日曜日」と決まっており、月が関わってくるので毎年変わります。よってマースレニッツアの日にちも毎年異なるんだそうです。なるほど!
ということで暦の上では春ということなんですが、実際には雪はまだまだ残っているし気温もそこそこ低いので、春はほど遠いなぁと感じるこの頃です。早く雪が溶けきって過ごしやすい夏になってほしいなぁ。
では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
だすびだーにゃ!